昨年のW杯により日本のバスケットボールが注目を集め、国内のBリーグの観客数も増え盛り上がりを見せています。
そうした中、Bリーグでは2026年から「B.革新」というスローガンのもと新リーグが始まります。B革新ではバスケットボールを日本の代表的なスポーツにするために様々な構造改革が行われる予定です。
今回はその新リーグについて、いったいどのようなものなのか、現在の制度とは何が違うのかなどについて、丁寧かつ徹底的に解説していきます。
新リーグの概要
B.革新による新リーグは2026-27シーズンより始まります。B.革新というスローガンは、世界一型破りなライブスポーツエンタメを作ろうという目的で掲げられています。
新リーグでは、現在行われているシーズンの成績によるリーグの昇格や降格制度が廃止され、原則として降格を行わないエクスパンション型へと移行されます。これにより、クラブの経営力向上や、事業投資がしやすい環境の実現を目指しています。
この改革の目的はたくさんありますが、大きく分けると以下の通りです。
- 夢のアリーナ創りを通した地域活性化
- クラブの健全性、成長性の向上
- 未来の世代(子供たち)が憧れるリーグ
- 選手やファンだけでなく、ステークホルダー全員を幸せにすること
そして、現在のB1、B2、B3というリーグの名称も
・B1リーグ⇒B.LEAGUE PREMIER
・B2リーグ⇒B.LEAGUE ONE
・B3リーグ⇒B.LEAGUE NEXT
に変更されます。以下、詳細について解説しています。
B.LEAGUE PREMIER
B.LEAGUE PREMIERは現在のB1リーグの位置づけにあり、略称は「Bプレミア」です。
これは、3つのリーグの中の最上位に位置するリーグであり、世界のトップリーグになることを目指しています。
当初はBプレミアに入るチームの上限を18クラブとしていましたが、現在は参入条件をクリアしたクラブすべてがBプレミアに迎え入れることになっています。
そのBプレミアの参入条件は以下の通りです。
・売上12億円
・入場者数4,000名
・収容人数5,000人以上等の基準を満たすアリーナ
上記がBプレミアの基準となっていますが、Bリーグの島田チェアマンは、Bプレミアのクラブ数制限を事実上なくすことを表明しており、今後の審査でどのようになっていくのか注目されています。
B.LEAGUE ONE
B.LEAGUE ONEは現在のB2リーグの位置づけにあり、略称は「Bワン」です。
このリーグには30クラブが参戦予定で、3つのリーグの中で最もチーム数の多いリーグになることが予想されています。Bワンの使命はバスケを国民的スポーツにすることです。
B.LEAGUE NEXT
略称は「Bネクスト」です。将来的にBワンに統合するという構想があります。Bワンと同様に、バスケを国民的スポーツにすることを目標とするリーグです。
また、現在はB3リーグのみ別法人で運営されていますが、新リーグでは3つのリーグの法人は全て統一されます。
現在の制度との変更点
現在のBリーグの制度からの変更点は大きく分けて以下の6つです。今後、議論が進められていく中で新たな変更点が生まれるかもしれません。
サラリーキャップの導入
サラリーキャップとは、各チームが所属する選手に支払う年俸総額や、チームの総予算に上限金額を設けて、規定する制度です。アメリカのメジャーリーグやNBAでは既にこのサラリーキャップが導入されています。サラリーキャップを導入することの狙いは、戦力の均衡化を図ることです。戦力差がなくなることで全試合接戦を目指し、リーグの魅力向上や、健全経営の達成を目標としています。
外国籍選手の登録について
Bプレミアでは、外国籍選手の登録人数を3人または4人、帰化選手(アジア枠)を1人設けることが検討されています。また、オンザコートフリー(外国籍選手の同時出場の人数に制限がない)として検討されています。つまり、帰化選手を含めばコート上の5人全員が外国人選手がなる可能性があるということです。
また、BワンとBネクストでは、外国籍の登録上限を3人とした上で、
オンザコート 「 2-1-1-2 」とすることが検討されています。
これはBリーグ創設当初のような形ですね。
選手の流動性の強化
選手に活躍の機会を多く設けるために、柔軟なレンタル制度や育成補助金が導入される予定です。
ドラフト制度の導入
Bプレミアにおいて、2026年度からドラフト制度が導入される方向で検討されています。
※詳細については発表されていません。
カーディング
カーディングとは、Bリーグのリーグ戦のスケジュールのことです。
B.革新では、週末試合と平日試合をバランスよく開催することを目指します。
ポストシーズンの拡大
現状からポストシーズンの仕組みを変更することが予定されています。
・Bプレミアでは、FINAL戦3戦先勝方式・HOME/AWAY方式の導入を検討しています。
・Bワンでは、プレーオフに最大16クラブが参加する、長期間のプレーオフの実施を検討しています。
※Bネクストは、現行のB3通りに行われる予定です。
最後に
以上が、現在構想されているB.革新の内容です。
Bリーグでは、バスケットボールを野球やサッカーのような日本の国民的スポーツにするための取組みがなされています。B.革新にはまだまだ不十分な点が多いですが、今後どのような方向に進んでいくのか期待されています。
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